読書
サイコパスの特徴は、一見誰の目にも普通に見えるけれど、心の中は冷え冷えとしている人間であると言われている。そうした二面性を持っていて、普段の生活においては社会に適応した健全な人間である部分を前面に押し出していれば、精神科医ですらその存在を…
宅間守 「精神鑑定書」を読むを読んで考えたこと 犯罪を防ぐことはできるか 犯罪を簡単に防ぐことはできない。これまで前科があって、再犯しそうな人であれば、何らかの対処法があるのかもしれないが、これまで犯罪歴がなく、問題行動を取ることと無縁の人で…
宅間守の母親は、宅間守が出産したときに、「あかんわ、これ、堕ろしたいねん私。あかんねん絶対」と父親に語っていたそうだ。生まれたての赤ん坊は言葉を理解する力に乏しく、赤の他人の表情を読み取ってその時抱いた感情を言語化することは難しい。たしか…
宅間守の存在を知ったのは、小学五年生の時である。当時の担任が大阪教育大学の附属小学校に刃物を持った男が侵入し、児童や教諭を刃物で襲撃したと言っていた。それを聞いた後、インターネットで、宅間守のことを色々と調べたりした。すると、宅間守の資料…
反社会的な行動を取る人の要因を脳の構造や遺伝子の観点から紐解いていく書籍。結論から言うと、犯罪に関する遺伝子というのは存在する。本書によると、反社会的な行動は脳の一部の領域の働きや遺伝子の影響を受けて引き起こされることが分かっている。性善…
石原慎太郎氏の著書「巨獣」を読み終えました。この本は、大阪教育大学付属池田小事件をテーマをした書籍です。p.204にはこう書かれている。 >「死」を意識したことがこの書籍を書こうと思ったきっかけだそうです。筆者は三島由紀夫などと親交があったことか…
能力主義が蔓延る社会に否定的な考えを持っている筆者。成功者は、自分が上手くいったのは、自分が努力したからだと考えがちだが、実は遺伝子や親の経済力、周囲の環境などに恵まれていたから成功した要素も多分にある。それをあたかも自分の力だけでのし上…
脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体 (幻冬舎新書)作者:中野 信子幻冬舎Amazonhttps://rlh6420.hatenablog.com/entry/2023/06/19/165043?_gl=1*1s4yyf6*_gcl_au*NDYzNDczOTcxLjE2ODkyODYxODQ.&_ga=2.111937410.708958621.1689286184-1236341548…
この本は大変売れているそうで、図書館でも予約待ちの状況が続いているみたい。タイトルからして世間の人が思わず手に取ってみたくなるような内容だからベストセラー本になるのは何となく理解できる。スマートフォンは社会に大きなインパクトをもたらした。…
「ドーパミン中毒」自分はこの本に出てくるような人たちが心底うらやましい。対象はなんであれ、何かに夢中になって時間の流れを忘れるほどの体験をしている事実がとても羨ましい。こうした人たちを見ると、自分はこうはなれないなと思う。今後も夢中や没頭…
人とコミュニケーションを取るのが苦ではなく、周りと協力して生活していきたいと考えるホームレスにとってはこの本は大変参考になるが、それとは反対に、社会や人から逃れて、なるべく周りとコミュニケーションを取らずに単独で生活したいと考えるホームレ…
筆者のスタンス ホームレスたちを面白おかしい観察対象とみなし、その実験台としてホームレスと共に路上生活をしているようにみえる。 本当はホームレスとして生活していきたいところがあるのだけど、それができないから取材者の立場を利用してホームレス生…
格差の期限という本を少し前から読んでいる。マルサスという学者は一貫して、人口の増加や技術の進歩が人間の生活を向上させることはないと繰り返し主張する。それを説得づける根拠として農業の普及や人口変動の問題などを例に挙げて論を進めていく。疑問点1…
自殺に関する書籍を色々と読み漁っていた時に、併せて読んだ本。哲学に少し関心を持ってはいるものの、本格的に哲学書を読んだことはまだない。後世にまで受け継がれている古典の多くを僕はまだ読んでいない。 筆者の思想は、厭世的、虚無的、悲観的で、人生…
デュルケームの自殺論を読了。デュルケームの専業は社会学であるが、僕は社会学について何も知らない。いや、社会学のみならず、様々な学問についての知識が無さ過ぎる。なので、本書の内容をほとんど理解することがてきず、何とか食らいついていったという…
文中から自尊心の高さや陶酔心の強さが伺える。自分はここに出てくるような人たちとは無縁であるという選民意識が文章全体から感じ取れる。さて、西成にいる人たちは、まともでない、ろくでもないといった記述がたくさん見られるが、ホームレスにはやはりそ…
三島由紀夫と言えば武士道精神や憂国の士、政治的テロ、右翼、ボディビル、美への憧憬といったキーワードからその存在を論じられがちだが、本書では、愛、恋、女性、現実との関わり方といった観点から三島由紀夫という一人の人間を文学者としてではなく、一…