怠惰な生活を送る青年の日記

社会の片隅でひっそり生活しています。

コールセンターの仕事に必要な能力

コールセンターの仕事は、お客様からの注文の問い合わせ対応やお困りごと対応が主な仕事内容である。

基本的にお客様は目的を持ってこちらに電話を掛けてきているので、お客さまのニーズをしっかりと満たしてあげないといけない。ただ、一方的にお客様の話を聞き取るだけではこちらの商売にもならないので、お客様の要望をしっかりと聞いた上で、過度な押しつけにならないようにこちらの要求もやんわりと主張して契約獲得にこぎつけていく必要がある。

商品を注文したいという欲求とは別に、ただ話を聞いてもらいたいという理由から話をしてくるケースもあることを実際にこの仕事に就いてみてわかった。いや、仕事をする前からこうしたケースが存在する事は何となく理解してはいたのだけど、こうした事例は僕の想像を遥かに上回る形で存在していた。明確な目的もないのに、こっちに電話を掛けてきて家族の話や自身の健康の話などを延々と話し続ける人が多いこと多いこと。基本的にどうでもいいようなことを話してくる人は会話に飢えていて、話を理解してくれるかどうかはどうでもいいのである。ただ話を聞いてくれる存在であるかどうか、受け止めてくれる存在であるかどうかが彼らにとっては何よりも重要なのである。一般的な認識としては、コールセンターの仕事は人の話を聞く仕事と認識されているので、この職務に携わる人には何を投げ掛けてもいいと考えて、他愛のない身の上話を彼らは一方的に続けてきたりもする。こうしたことからコールセンターの仕事は、仕事の内容に関係のない、非常にどうでもいいようなことにも付き合っていかなければならないところがあるのである。

個人的な考えとしては、この仕事に求められている能力は、基本的なコミュニケーションスキル(主に話す・聞く)や冷静沈着さ、図太い精神力、処理能力などかなと思っている。

僕は二番目と三番目の能力はまだある方だけど、最初と最後の能力は低い。冷静沈着さと図太い精神力に関しては、相手からどのような言葉をぶつけられても自身の感情に変化が生じることはなく、あっけらかんとしているところがあるので、厳しい言葉をぶつけられても特に怯まない。所詮は他人事と思っているところがあるので、軽く受け流して話半分で話を聞いている。もちろんこれは顔の見えない電話越しでの対応だからという条件付きの場合であって、対面であれば少しは影響を受けて精神が揺れ動くと思う。やはり非対面というのがキーポイントなのだ。顔も名前も知られていない、今後も顔を合わす機会もない、つまり、関係が最初から生じていないような状況であれば、基本的に何を言われても平気である。

図太い精神力というのも色々なパターンがあるが、相手の主張を受け入れるということに関しては特に抵抗がない。厳しい言葉や口汚い言葉をぶつけられることに関しても特に問題ない。つまり、相手の主張や要求を一方的に受け続ける立場であるというのはそんなに嫌じゃない。ただ、自分の側から相手に過度な要求をするというのは気が引ける。例えば、相手が欲してもいない商品を売りつけるとか、相手がまだ会話を続けたいのに、話を途中でへし折って電話を切ったりするというのは罪悪感や申し訳なさが少なからずある。こうしたことに関しては自分は、抵抗を感じずにはいられない質の人間だ。

冷静沈着さと図太い神経というのは表と裏のような関係性で、どちらも持っている人は少ないのではないかと思う。図太い神経の持ち主である人は、あまり物事にこだわらず、スパッと会話を断ち切ったりもできるけど、その反面、感情的で冷静沈着さとは正反対であるように思う。それとは反対に冷静沈着な人間は相手の話を、うん、うんと相手の話を頷いて聞くが、自分から相手に何かを提案したり、話題を持ちかけたりして巧みに交渉に誘導するというのはあまり向いていない気がする。つまり、相手の世界に干渉するのが不得手な人間で、聞き役の立場で居たいだけの人間なのだ。これは単なる一個人の見解であって、両方の面を持ち合わせている人も沢山いると思う。冷静沈着さと図々しさの両面を持ち合わせているドライなタイプの人間で、その割り切った性質ゆえにうまくやっている人もいるだろうから。自分にはその図々しさが欠けているし、そこが交渉事や契約を獲得する際にウィークなポイントになるのはこれまでの経験からも明らかである。

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