怠惰な生活を送る青年の日記

社会の片隅でひっそり生活しています。

生活費を稼ぐため以外の志望動機は存在しない

 今日はマンション警備の面接に行ってきた。結構大きな会社ということもあって、面接の内容や進行具合、雰囲気がとてもしっかりしていた。今日は二人の役員と対面で面接したのだが、本当はもっと役職の高い人が後二人ほど来る予定だったそうで、会社の都合によりそれが叶わなかったそうだ。4人の面接官を前に面接をしたことがないので、もしそれが実施されていたならば、今回が初めてであった。たかが一人の人間の採用面接に4人もの人間が必要なのかと疑問に思ったりするが、会社が必要と思うのなら必要なのだろう。それぞれの会社にはそれぞれのやり方があるのだから、その考えをことさら否定するつもりはない。

 さて、話は変わって面接の難しさである。面接をするからには、応募者がどのような考えをもって我が社を志望したのか、今後どのような考えを持っているのか、志望動機は何なのかなど実に様々なことを根掘り葉掘り聞かれるわけなのだが、それに応えられるものがないからいつも困る。困るというのは自分ではなく、採用する側の方である。何の答えを持っていないと応募者から言われてもそれにどう対応してよいのかわからず、返答に困窮するのは自分でもよく理解している。もし僕が逆の立場になった場合、逆に今の採用担当者と同等の感情を応募者に抱くだろう。しかし、何の考えもないものを無理に何か理由を作り上げて嘘の方便を用いてその場その場をうまくやり過ごすというやり方が自分はあまり好きではない。もちろんそうしたほうが物事が円滑に進んでいくのは頭では理解できるし、そうやって物事を対処するのも一つのやり方ではある。しかし、自分はそれを不得手とする。自分は、自分の思ってもないことをいうのがとても苦手である。仮にそうしたやり方で物事がうまく進んだとしても、後に色々と面倒事が出てくるのではないかと思う。一つついた嘘がどんどんと傷口を広げていき、最終的には物事が連鎖的にダメになっていくという結末。であるならば、最初から噓などつかないほうがいいのではないか。今、自分の持っている考えをストレートに相手に伝える。そうしたほうが後々面倒ごとを引き起こさなくて済む。もしそのやり方でうまくいかなかったとしても、自分を責める必要はない。単に自分とは合わない会社だったと考えて終わりである。

 実際に自分は面接で今の心境をストレートに語った。以下はそのやり取りの一例である。

 なぜマンション警備の仕事に就こうと思ったのですか?
 
―静かな環境で黙々と仕事に取り組みたいと考えたからです

 なぜ、警備の求人を志願したのですか?

―自分の性質的に務まりそうな仕事だと思ったので。

 警備の仕事に絞って求職活動を行っているのですか?

―いえ、そうではありません。ほかの職種と並行して求職活動を行っております。

 今後もずっと警備の仕事で働き続ける意思をお持ちですか?

―それはまだわかりません。将来どうなっているか分からないので今後のことは自分の口からはまだ何とも言えないです。

 今後のプランや展望は何かありますか?

―いえ、何もないです。正直な話、何の考えも持っていません。今の自分には将来のビジョンが何一つありません。

 こうした質問をされる度にいつも思うのは、知りようもない先のことや必ずしも確約できるかわからない将来のことをなぜ色々と根掘り葉掘り聞いてくるのかということ。警備の仕事をずっと続ける保証もないし、警備の仕事にこだわりがあるわけでもないし、強い関心や興味があって応募したわけでもない。他の職種と比較してまだ自分に務まりそうな仕事だった(警備の仕事を馬鹿にしているわけではない)と考えて応募しただけであって、絶対に警備でなければならない理由はどこにもない。なので、「警備以外の仕事でも別にいいですよね」という質問には何の反論もできない。実際に今は他の職種と並行して求職活動を行っているのだが、そもそも経験が浅く、まだ何も知らない段階でひとつの職業に選択を絞ることのほうが難しいと思うのだが。興味・関心ややりたいことなど、時間の変化につれて変わってくるだろうから。そもそも仕事をする動機が生活費を稼ぐためでしかなく、やりがいや入社してから実現したいこと、夢などは一つもない。だからこそ、今のような生活を送っているわけで、もしそうしたものがあるのであれば、今頃どこかの会社に所属してその実現のために身を粉にしてバリバリと働いていると思うのだが…。

 なんかこうした質問をされる前提を自分はもっていないから、対応に困るのだ。

少し前の日記にも自分は似たようなことを書いたが、これと同じような感想を今回の面接でも感じてしまった。そのことを再確認した面接であった。

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