怠惰な生活を送る青年の日記

社会の片隅でひっそり生活しています。

笑いに必要な能力

最近、バカリズムサンドウィッチマン四千頭身の漫才ネタを観て過ごすことが多い。お笑いを観るというのは本当に久しぶりのことで、もうここ数年、お笑いというものを真剣に観ていない。今の自分の住まいにはテレビがないし、スマホでテレビを観ることもない。なので、本当にお笑いを観る機会がまったくないのである。能動的にお笑いネタに関心が持てればそれに越したことはないが、生憎自分はそうではないから、自分から進んでネタを観るように努めている。

それでお笑いを観ていて、笑いのネタを作るのに必要な能力は何なのか考えていくと、日常を徹底して観察する力が必要なのではないかという考えに至った。芸人さんは一つの言葉やモノの形・姿から別の言葉や物を連想してネタを作っているが、この連想力にしても日常の中にその材料がある。日常の些細な出来事や自分にとって意味を成さないような体験を、視点を変えて突き詰めて考えていった先に笑いのネタというものが作られていく。その日常というのは、本や漫画を読むこと、映画を見ること、散歩することなどのように明確なインプット体験を想起する人が多いだろうが、それだけでなく、もっと身の周りのことに目を向けながら生きること。周りのことに意識を向けながら徹底的に周りを観察して日常を送ること。それこそが笑いの種を掘り起こしていくことに繋がっていく。

四千頭身のネタの一つに、お寿司屋さんのネタがある。寿司屋へ行ってお客様が「おすすめのサーモンネタはなんですか」と大将に尋ねる。それで大将からムニエルがオススメですと返ってくる。どちらも同じ魚料理で共通するが、食のカテゴリーは全く異なる。こうしたある一つの言葉やモノを、別のレイヤーのものと結びつけるのが芸人さんは上手い。これなんかもサーモンの知識を知っていないと生み出せないネタだ。ムニエルはサーモン料理だということを知っていないといこうしたネタは作り出せない。ここでは直接的な関係性はなくても、同じ魚料理という点で共通するところはあり、こうしたところからネタというものが生み出されていく。ここでは、サーモンから別のサーモン料理を連想したが、これは言葉の知識に限らなくても、言葉のゴロ感やある挙動の姿から別のものを連想するといったこともできる。

ここで物事を連想するにはどれだけ知識を知っているかが大切である。連想力も言ってしまえば、知識と知識の掛け算で、ある知識から別の知識へと結びつけていく。だからこそ知識が必要で、そもそも知識がないと他のものへと連想することが難しい。

この知識を手に入れるには何をするのがいいのかというと、やはり日常を大切にして日常に意識を向けながら生活することである。日もっと周りを見渡し、徹底的に辺りを観察しながら生活する。そこにしか笑いを生み出すものはない。そうした積み重ねが一つの笑いを生み、人々から大爆笑と大声援を引き出していくのである。

 

 

 

当ブログの文章や画像を無断で転載することは厳禁です。もしそうした行為を働く者がいた場合、然るべき法的措置を取らせていただきます。