コールセンターの仕事というのは、素早いスピードでキャッチボールをするのが大切である。この仕事で求められているのは、いかに素早いスピードでボールの投げ渡しができるかどうかである。キャッチボールを終えるまでには、一連の流れがある。
1.相手の球を受け取る→2.相手の主張を推測、要約する→3.相手に自分の主張したいことを分かりやすい言葉で伝える→4.相手が球を受け取る
これがキャッチボールを終えるまでの一通りの流れである。
この中で特に大切だと思われるのは、2.と3.であると私は考えている。2.では、膨大な情報を綺麗にまとめる必要があり、この実現にあたっては語彙や比喩表現、情報の取捨選択などが欠かせない。不純な物質を純粋な物質に変容させていくのが2.で求められる能力。3.では、2.とは異なるが、料理で下拵えしたものをどうやってうまく完成品に持っていくかどうかが大切である。自分の中だけで情報が整理されているだけではダメで、整理された情報を相手に対して分かりやすい言葉で伝えないといけない。それにはシンプルに物事を考える、例え話を用いるなどの力が欠かせない。
これは一見誰にでもできるように見えて、できないところがもどかしさを感じるところでもある。
もちろんコールセンターの仕事では、綺麗な言葉遣いや懇切丁寧な振る舞いが求められてはいるのだけど、あくまでそれは二の次で、お客様はそれほどそこに重きを置いてない。お客様の立場からすれば、いかに早く電話のやり取りが終わるか、自分たちの問題点が解決するかの方がより大切である。このことは自分が客の立場にたってもそう思う。お客様が求めているのは、スピード性と自身の問題の解決なのだから。