怠惰な生活を送る青年の日記

社会の片隅でひっそり生活しています。

偽りの生活からは有は生まれない

音楽や映画、小説、漫画、アウトドア、スポーツ、旅行、グルメ、ファッション、ショッピングなどこの世には人の生活に彩りを与える娯楽物で溢れていますが、自分は純粋な好奇心や関心からそれらのものに心が惹きつけられるといったことがありません。いつ何時も意識的にそちらの方へと関心を向けるといった行動パターンしか取ることができないのです。ふと気づいたときにそれをやっていたとか、自然にそれに取り組んでいたということはこの上なく幸せなことであると思います。というのも、それは自分の意識とは関係なく、無意識の働きによって引き起こされた行為なのですから。そこに打算や意図的な考えなどはありません。本能を備えた人間らしい行為であります。それは純粋な感情体験を引き起こしてくれるでしょう。しかしながら、自分にその行動パターンは縁がなく、強烈な意識的作用に支配されて常同パターンを繰り返すことでしか社会生活を営むことができません。無意識の力があまり機能していない人は、何事も意識的に行動に努める他ありません。前で述べた娯楽物の他にも、ごく単純な食事や睡眠でさえ意図的に計画を立てて遂行する必要があるのです。自分の体にムチを打って行動するしかないのです。そこには自分の本心なり願望なりは含まれていないので、何か行動する度にまた嘘をついちゃった、となります。そしてその後、猛烈な自己嫌悪が我が身に降り注いできて自分の取った行動はやはり良くないことではなかったのかと反省することにるのです。自分を欺いた結果から引き起こした行動からは、何の感情も生まれようがありません。何せ自分を騙しているのですから、豊かな感情体験など生じるはずもないのです。

日常生活において喜怒哀楽の感情を感じ取る力が弱いのも、その行動が自分の本能的感情や自発性と結びついていないからでしょう。偽りの行動理由から取った行動は自然で豊かな感情というのはもたらし得ない。それらは自分の外の世界に締め出されたままです。自分の内なる世界にはなんの作用ももたらさないのです。

自分の本心や行動が一致している状況を何度夢見たことか。おそらく数え切れないくらいそう思ったことだろうと思われます。しかし、その実現は未だにできていません。

本能的感情と行動が一致しているとき、自分は豊かな感情を体験するのでしょう。そして、人間へと一歩近づくのでしょう。

 

 

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